ショートショートバトル 5KBのゴングショー第85戦勝者

「答え」

「ねぇ、僕って何の為に生きてるんだろうね」
 スノーマンが自分の頭の上に乗っている小鳥に聞いた。
「……さぁねぇ。それはあなたが一番よくわかってるんじゃないの?」
「うん、そうかもね。自分のことを一番よく知っているのは自分だからね。でも、僕
にはわからないな、なんで生きてるのか、何の為にいきているのか」
 小鳥が少し下を向いた。スノーマンの少し寂しそうな表情が見える。
「あのね、私にはよくわからないんだけど、あなたは子供たちの為に生きてるんじゃ
ないのかしら」
「子供たちの為?」
 そういうと、スノーマンは目の前にある家を見た。家の窓からは子供たちが楽しそ
うに家の中で遊んでいるのが見える。
「でも、あの子たちは、作ったらそれでおしまい。僕は完成したらそれで終わりなん
だよ。後は溶けるだけさ」
「それはどうかしら。私はそうは思わないわ」
「え、じゃあ他に何があるっていうんだい?」
 小鳥はふぅ、とため息をついた。
「今はそうとしか考えられないのかもしれないわね」
「今は? じゃあ、時間がたてばわかるのかい?」
「さぁ、そんなの私にはわからないわ。だって私はあなたじゃないもの」
 そういうと、小鳥はどこか遠くへ飛んでいってしまった。

 次の日。昨日スノーマンがいたはずの場所には何もなかった。
 すると、家から出てきた二人の子供がそれに気付いた。
「あ、昨日作った雪だるまが消えちゃった!」
「消えちゃったのー? 残念だなぁ」
「ねぇ、残念ー。今日も見たかったのになぁ」
 今はもう溶けてしまったスノーマン。
 しかし、やっと答えがでたような気がした。


 

作者のサイト:http://www.medianetjapan.com/2/15/internet_computer/saki/honeycomb.html

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