ショートショートバトル 5KBのゴングショー第256戦勝者

「「リアルフォース」」

神聖パワー

通販で買った物の名はリアルフォース。
箱から取り出した部品を床に並べて、一つ一つ検証し、説明書に従い組立を開始した。
つけっぱなしのラジオから「湊の横には横須賀って、マジっすか〜Zぉぉぉぉ!!!」というのが決めゼリフの、最近流行のレゲエなコント集団の公演案内が流れていた。
もう立夏ともなると、窓を閉め切ってこういう細かい作業を続けていると額に汗がにじむ。
しかし、窓を開けたりしたら、重要な部品がとばされてしまうかもしれない。
デジタル式の目覚まし時計のアラームが鳴った。ちょうどキリのいい瞬間だったので、止めて作業に戻る。最後にトリガーをスリットに差し込む。
パチリという音がして、それはしっかりとハマった。リアルフォース。根拠はまったくないけど、こいつで何かやれそうだ。
でも、これの組立方はついてきたけど、活用方法はどこにも見あたらない。
欠品かな?
まぁ、時間はたっぷりある。
おいおい、判ってくるだろう。

一週間後、はがきが届いた。
前夜の大雨でインクが流れてほとんど読めない。
昨日もリアルフォースを、分解して組み立てる作業のタイムトライアルに熱中して部屋からでなかったので、階段横の郵便受けにこんなものがきていたなんて気づかなかった。

・・・使用するのかは、ここでは言えない。なぜなら、君は、たぶん、僕と利害関係が一致しているとは思えないからだ。

という部分以外は青いインキが滲んでいるだけのはがき。
下手くそな字がなんだかしゃくに障った。
そこで、ようやくわかりかけてきたリアルフォースの最初の餌食にすることにした。

確かにはがきは別物になった。
なったが、僕のイメージとはかけ離れている。
リアルフォースは、予想ほどその能力を発揮したようには思えない。
ということは、正しい使用方法ではないのだろう。
それが判るまで、日々鍛錬を続けるしかない。
なんたって、リアルフォースなんだから、これは。

[前の殿堂作品][殿堂作品ランダムリンク][次の殿堂作品]