ショートショートバトル 5KBのゴングショー第252戦勝者

「消し」

あくたーみに

データが消えてしまっている。
重要なデータだったのに・・・。
いつのまに・・・。

彼は自分の端末の中に秘匿していたデータが消えていることで、金縛りにあってしまった。
二つの瞳から血の色の涙が流れ出て、それはとどまることを知らぬかのように、流れ続けた。

経常赤字、過去最大!
またもや巨大金融機関破綻!
XX国、デフォルト!!

ニュースのヘッドラインを流しているデスクトップガジェットにそんな文字が。

しかし、そんな重大事すら、彼の瞳には入ってこない。
ただただ赤い涙が流れ出るのみ。

彼の涙が止まったとき、ニュースも止まる。
しかし、消えてしまったものたちは戻ってこない。

なぜ、そんなことになってしまったのか?

消したものたちは、消えていくものについて、なにか考えていたのだろうか?

彼は、涙が止まったとき、死ぬ。
その代わりにある契約をあるものとしていた。

彼がそんなことをしていたとは知らない誰かが、データを消してしまったのだ。
誰が彼と契約していたのか。
それはここには書けない。
なぜなら、そんなことをしようものなら、私の重要なものが消えてしまうからだ。

終わり

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