ショートショートバトル 5KBのゴングショー第239戦勝者

「ざけんな!!」

アラブル・ドンビガー

ざけんな!!

彼が最後に残した「ざけんな」を反芻してみる。
なかなかいい感じの「ざけんな」だった。
味わい深いものが感じられる。
あの「ざけんな」を再現しないといけないのだ。
今度のお客様は、非常に感覚が肥えていらっしゃる。
単なるそこいらのありふれた「ざけんな」では、きっと満足していただけない。
モッテノホカを取り寄せなければならない。
あれがないと、あの「ざけんな」は作ることができない。
それと「紅花蜂蜜」も必須だ。
あと新型のパン製造マシーンも必要だ。
今の季節なら松茸も当然。
米沢牛もいるかな。
日本酒は菊水の舟絞りがいいだろうか。
それとも真澄がいいだろうか?
予算は確かxxxxxxxぐらいだったが、また赤字になってしまいそうだ。



シェフの日記をみてしまった。
とんでもないことが書かれてある。
うちの店を潰す気なのか?
あのシェフは今度のお客様のおもてなしを終えたらクビだ。



支配人はきっとわたしをクビにするだろう。
余所からオファーがあるのだが、自分から辞めるとは、いろいろ事情があって言い出しにくい。
これ見よがしに毎度鍵付きの引き出しにしまっているので、さすがにあの支配人も気づいてくれた。シメシメ。


「うーん、このざけんなというのは・・・」
「お気に召しませんか」
「そうですね、まぁ、こういうのがお好きな方もいらっしゃるとは思いますけど・・・」
「そうですか・・・」
「まぁ、そんなに気を落とさずに」
 僕を拾ってくれた先生がそう慰めてくれたけど、やはりこの「ざけんな」はダメなようだ。どういう「ざけんな」ならば、先生のような本物がわかる人に認めてもらえるのだろうか・・・。

おわり

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