ショートショートバトル 5KBのゴングショー第230戦勝者

「ハイハイエストハイヤー 」

サイコウチ^2

「ここが貴女の庭という訳ね」
 寂しげな女がそう言う。
「だから何よ」
 勝ち気そうな少女が叫ぶ。
「もう少しマシなところかと思ったけど、大したことないのね」
 寂しげな女は呟くように続ける。
「本当にみすぼらしい庭。花も実もない・・・。例えば苺ぐらい植えてあれば、まだカッコがつくのに・・・」
「わたしはブドウ畑が欲しいなぁ」
「イチゴ畑も」
「イチゴ畑やブドウ畑よりもミカン畑が欲しい!!」
「トマト食べたい」
「スイカが欲しいの」
「メロン、メロン、メロン」
 寂しげな女の陰から小さな子供たちがわらわらと出てきて口々にそう言った。
「みんな、そういうのはこのお庭にはないのよ」
と言いながら女は勝ち気な少女の方を横目で見る。
 唇を噛む少女。
「えー、ないのぉ」
「なんにもぉ」
「えー」
 女にまとわりつく子供たちが不平を口にする。
 にわかに暗雲が立ちこめる。
「そろそろ決着・・・」
 少女がそう言って拳に力を込めたのだけれども、寂しげな女は、
「あまりの悲惨さにやる気が失せたわ。・・・そうねぇ、気が向いたらまた来るけど、もしかしたら二度と来ないかも。・・・さぁ、みんな行くわよ」
 寂しげな女はマントをブワっと音をさせて翻した。すると女と子供たちは一瞬にして消え、勝ち気な少女だけが残った。
「助かった・・・」
 勝ち気そうな少女は肩をガックリ落として、その場にへたり込んだ。

 これがこの地に伝わる「退魔伝」のアウトラインなのですが、もう少し現代風にブラッシュアップしていただけますか?
と向かいの「女」が言った。
 わたしは、ちょっと待ってくれ、これってかなり前にわたしが作成した「XXXX」の一場面そのものじゃないか、著作権法違反だろ、おい!、と思わず言いそうになったが、すぐに、ああ、ここはもう今までの世界とは違うんだったということを思いだし、
「そうですね・・・少しばかり、お時間を頂くこととなりますけど・・・」
と提案してみた。
 そうですか、引き受けてくださいますか、良かった。
と向かいの「女性」は声だけは嬉しそうにそう言った。
 表情は神様が手抜きしたせいなのか、変化なしだった。

「二次元変」(完)

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