ショートショートバトル 5KBのゴングショー第222戦勝者
テンキー
世界の終わりについての注文がまた入った。 この前の恐ろしい体験から、断りたかったのだが、なにぶん、お金がないので、請けてしまった。 世界の終わりの話は、何度も注文を受けているので、自分ではなかなか上手くいったなという結末まで持っていけるのだが、クライアントの要求は、もっともっととエスカレートする。 ほんとに世界の終わる話が好きだなぁ、と思いつつ、もうほとんど自動書記のように話が生まれていく。 最後にいつも希望を潜ませているのだけれども、それがもしかして気に入らないのだろうか? 最終的に破滅しないのは、駄目ということなのか? そんなことを考えながら書くから、また注文が来るのか? 昔の日記を読んでいて、そんなくだりを発見した。 うーん、なんて詰まらぬ内容のものを次々量産していたのだろうか? 今思うと、馬鹿馬鹿しい内容なのだが、その当時は必死だったので、仕方ないな、と心の中でつぶやく。 世界が終わってしまった、今、僕には筆記用具はないので、ひたすら過去の作品を読み返すことしかできない。 ああ、今日もいい天気だ。 おわり |
[前の殿堂作品][殿堂作品ランダムリンク][次の殿堂作品]