ショートショートバトル 5KBのゴングショー第208戦勝者

「ウンザリ」

らっきよー

 うちの部屋は、洗濯をしたら、部屋干しないと危険である。


 引っ越してきて、はじめて洗濯をした。
 すると、なんだか、洗濯物から変なにおいが・・・。
 部屋干するとちょっと臭う〜ではなく、外干すると・・・なのだ。
 まぁ、最初は大都会なので空気がちょっと悪いのかな、程度に思っていた。

 夏、窓を開けていると喉が痛くなった。
 ネットで調べると、光化学スモッグの影響がある地区に該当する、とあったので、市の環境局に電話して苦情を申し立てると、
「そちらの地区には警報は出ておりません」
とのこと。
「でも、喉が痛いんです」
「何時何分何十秒?」
とは言わないが、まるで尋問まがいの問いを投げかけてきて、それについて返答すると、先のようにいわれたのだ。
 しつこく食い下がると、
「では、またそのようなことがありましたらご連絡ください」
と素っ気無い。
 数日後、また喉がやられた。
 こう書くと大げさな、と言う人もいるかもしれないが、こんな風に喉がやられるようなことはこれまで一度もなかった。幹線道路沿いを長いこと歩いたときですら。
 前回と同じ番号に電話し、粘りに粘って、
「では、少し調査を行ってからご連絡差し上げます」
という返事を貰った。

 しばらくして、電話がかかってきたのだが、要領を得ない話が延々と続き、ウンザリした。
 つまるところ、そのような兆候はない。あんたの間違いだ。だからそれを認めろ。
 という意味合いの内容なのだけれども、「そうですね。そのとおりです」と認めるような返事をこちらがするまで、まわりくどく、「いえ、しかしですね・・・」「いや、そのようなことはなく・・・」と延々と不毛なやり取りが続いた。
 責任を取りたくない。
 それだけのことなのかもしれないが、こちらは仕事中(ボクは家の中で仕事をするので電話がかかってくると仕事の電話かとおもって取ってしまう。他の人が出れれば「○○はただいま席を外しております」とかできるのだろうけど)なので、これ以上時間を無駄にしたくないので、結局、ハイソウデスネ、と折れることになった。

 その後、しばらく出張で家を空けていたのだが、戻ってくると、もう季節も季節なので窓を開ることもなくなり喉が痛くなることもなかった。

 が、ある日、洗濯をして干しておいたものを取り入れるとき、激しい刺激臭を感じたのだ。
 取り入れる際、たまたま、周囲でそういう臭いがしただけかと思ったのだけれども、取り入れた洗濯物がまだ生乾きだったので、部屋干したのだ。
 すると、部屋干を始めてものの十分としないうちに喉が痛くてたまらなくなった。

 今回は、前回の苦情処理部署から、「そちらの地区の環境管理の担当箇所は・・・」と教えてもらった場所に出向いていった。
 そこにいくと、すぐに応対してくれたが、ボクの話を話半分にしか受け止めていないのではないか。そんな風に感じるような対応だった。
 まぁ、それは被害を実際受けていない人にはわからないことなので、仕方ないことのなのかもしれないが。
 後日、調査を行うので、その際は連絡します、という回答を得て、「よろしくお願いします」と、その場所を後にしたのだが、年の瀬が迫っている関係で、今のところ、まだ何も連絡はない。

 というか、そのとき伝えた番号の携帯電話を落としてしまって、実のところ電話を受けられない状況なのだ。
 
 で、気がつくと喉の痛みから声が出なくなってしまい。
 この文章をしたためてみた、というわけである。

 友人に筆談で事の顛末を伝えると、

「まぁ、とりあえず電話なくしたなら、携帯電話会社に連絡すべきだよ」

といわれ、そうだな、まったくだ、と思ったしだいである。

 蛇足だが、この話の教訓は、うんざりするようなことでも、他人にとってはそうではなく、また、あまりにもうんざりしすぎると、肝心なことから気がそれていってしまうということである。

 ちなみに、最近は電話ではなくメールで仕事の依頼を請けているので、そっち方面の問題はない。
 洗濯も部屋干にしたので、問題は解決したといえるのかもしれない。
 友人の忠告を受けて、電話会社にも行ったし、耳鼻咽喉科にも行ったし。
 大都会での生活と言うのは、宇宙ステーション生活と似た面があるのかもしれないな、と最近のテレビニュースを見ながら思った。


終わり

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