ショートショートバトル 5KBのゴングショー第194戦勝者

「破綻の予兆」

鳴海条

これはとあるケータイ小説投稿サイトの話しである。


一般人が投稿したショートショートを対決させ勝者に図書カードをプレゼントすると言う物で

2つの投稿作を対決させ閲覧数と良いと思った作品への投票数で勝敗を決める。


ここである男の話しをしよう。

名を仮に天安門とする。



過去二回勝利を手に入れたが

いずれも不可解な勝利なのである。


『レア』

は大臣が得体の知れないレアなスイッチを国家予算の半数を注ぎ込んで買う話しで、

スイッチを押してから、ドアを開けるとベルトコンベアに流れて行くと言う

意味不明な作品である。


次に載せた『死払』
と言う作品は

戦後時代の城主が部下の裏切りに怯え死をいとう話し。

下克上を恐れ疑心暗鬼になった彼は

「下克上を企てている“下克嬢”なるくのいちが城に潜んでいる!」

と喚き立てる。

このダジャレが言いたいがために書いたグダグダな駄文で


対戦相手の丸海条の『能会』を蹴落とした。

能会の内容は

“使わ無い能はどんどん衰えて行きます”

が売り文句の
日本伝統芸能研究会が作ったゲーム。

同シリーズソフトに狂言版と文楽版が存在する。



そして三回目に載せた『整地』


これは閉館後の遊園地に工事のおじさん達が忍び込んで、

地面を掘り返し
アスファルトを敷き タンクローリで整地して行く話し。


右車線と左側車線とで並び合ったライバルが“どっちが先に地面を平らにできるか”

と競い、そのレースにいつの間にか集まった観客が盛り上がり喚声やヤジを飛ばすと言う物。


山無し落ち無し意味無し。遊園地に侵入し、レースを始めると言う一場面を書きたかったがために書いた駄文だ。

しかし対戦相手の
『司法八法美少年』

に勝利した。


司法八法美少年は

ある税率の厳しい国で、“美少年は高額の納税を義務付ける”という法律に対し
苦悶する話し。


いずれも天安門の作品より一つ奥の深い人間の内面を描いている。

にも関わらずである天安門が勝ったのはなぜか?



答えは簡単、票操作である。


実はこの男サイト側の人間で、

賞金用の図書カードがなくなり渡すのが惜しくなった。


資金繰りに苦難した彼の苦渋の選択である。


━……

私の投稿を削除しても残念だが無駄だ。


皆もう気づきはじめている…。

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