ショートショートバトル 5KBのゴングショー第177戦勝者

「九月十日、宮城崎小学校体育館にて」

天城春香

 ぴょぴょんがぴょん。ぴょぴょんがぴょん。あ、それぴょぴょんがぴょん。
 何故自分が小学生にもなって兎の動きを模写したダンスなんぞを踊らなきゃならんのだ、という考えを抱いているのは僕だけではないだろう。というか僕を含めた一年生全員、総勢一三二人が同じ考えを持っているに違いない。一体誰がこんな踊りを見て喜ぶというのだ。運動会を見に来てくださったご父兄の皆様方? 僕らは見世物ってことかよ。とんだ社会学習だ。

 ぴょぴょんがぴょん。ぴょぴょんがぴょん。あ、それぴょぴょんがぴょん。
 宇佐美宇佐子、頑張ってます。いよいよ二週間後に迫ってきた運動会では、練習に練習を重ねたうさぎダンスをお父さんやお母さんや高校生のお姉ちゃんに披露したいと思います。きっと喜んでくれることでしょう。藁って褒めてくれることでしょう。嬉しいなあ。きっと皆も頑張ってるんだろうから、私も頑張らなければなりません。おっと、脇が空いてしまいました。

 ぴょぴょんがぴょん。ぴょぴょんがぴょん。あ、それぴょぴょんがぴょん。
 なんだよお子様ケータイって。確かにケータイ欲しいっつったけどお子様ケータイ買ってくることねーじゃんよ。あのバカ母親め。バカ親め。うまい。座布団一枚。お子様ケータイはフィルタ厳しくて嫌なんだよなーもうバカの一言も送信できねーしさー。アオイもサクラもミドリもちゃんとしたケータイ持ってるってのにあたし一人お子様ケータイ。みじめ。「茅原さん、脇が空いてますよ!」うるせえよクソ担任が。どうせあたしはサボるからいいんだよ。

 ぴょぴょんがぴょん。ぴょぴょんがぴょん。あ、それぴょぴょんがぴょん。
「はい、今日はここまで。楽しかったですか?」
「はい!」

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