ショートショートバトル 5KBのゴングショー第145戦勝者

「いじわるな娘」

えりねすぱ

シンヤはにまにまと、メールをうった。
「今日はありがとう、おやすみ」
しかし返ってきた返事は、とげとげしかった。
「あんなたいくつな映画、はじめて見たわ。あなたはあんなのが面白いと思ったの?」
「ごめんごめん、ぼくの趣味で映画を選んじゃって。たしかに、アクションものなんて、女の子にはたいくつだったかもしれないね、謝るよ」
「ちょっと、どういうこと? 女の子にはアクションものは、わからないって言いたいの? あのねえ、男の子、女の子、って、どうしてひとくくりにするの?」
「あ、ごめん。つい、…。深い意味はなかったんだ」
「なによ、意味がないんなら、メールしなければいいじゃない。もう寝るわ。二度とメールしてこないでちょうだいよ!」
「うん、わかった、おやすみ…」
「ちょっと! ほんとにメールしてこない気?」
「あ、ごめんごめん。悪かったよ。なんて言えばいいんだろうな…。その…きみが好きだから、今日はいっしょにいられて、とても楽しかったよ。また会ってくれる?」
「いやよ! あんなたいくつな映画、もう、うんざりだわ!」
「悪気はなかったんだ。きみに、たいくつな思いをさせる気はなかったんだよ。それはわかってよね」
「わかんないわよ!」
「どうして、そんなにぼくを責めるんだい? なにか、気にさわることでも言った?」
「…言ってないわ、なんにも」
「じゃあ、どうして。もしかして、…別れたいの? きみがそのつもりでも、ぼくには、別れる気はないよ。理由をおしえてほしいんだ、何がそんなに、きみを苛立たせているのか。ねえ、ほんとうのことを言って。どうして別れたいの?」
「だから、別れたいなんて、思ってないってば」
「じゃあ、どうして、ぼくを傷つけることばかり言うの?」
「それは…わたしばっかり、夢中になって、ばかみたいだから。あなたはいつも、どこかさめてる」
「そうかなあ、気がつかなかった。ごめん、謝るよ」
「謝らないでよ! …今日はありがとう、いそがしいのにつきあってくれて」

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