ショートショートバトル 5KBのゴングショー第114戦勝者

「死のっかなー?」

カヒ

この世界が嫌い。
だから死のう。

……死ぬのは怖い。
だから生きよう。

うーん、困ったな。
死のうかな?生きようかな?
花占いで決めるか。
「生きる、死ぬ、生きる、死ぬ、生きる、死ぬ……」

あっ!やばい。飽きてきた。
大体何?この花。花びら多すぎ!
はーっ、困ったなー。
生きよっかなー?死のっかなー?

「なーにやってんだ、ユカ?こんなところで?」
げ、見つかった。マサユキだ。

「学校の屋上で一人で花占い?恋でもしてんの?」
「いやー、ちょっと、生きようか死のうか考え中」
「ふーん……」
よっこらせ、と言ってマサユキは私の隣に腰掛けた。

「まあ、生きるのは面倒くさいから死にたいと思うのは分かる」
「うん」
「でも、死ぬのはもっと面倒くさい」
「そうなの?」
「今流行の練炭自殺。練炭の使い方、今時の高校生が知っていますか?」
「そういえば知りませんね」
「睡眠薬どこで手に入れるんですか?」
「……ツテがありませんね」
「ほかにいい自殺のしかた思いつきますか?」
「思いつきませんね」
「しかも、死んだら葬式費用払わないといけない。家族に負担がかかる」
「そうですね」
「何より、俺が、ものすっごーく悲しむ」

「……それ、告白?」
「の、ようなもの」
「ふーん」
「…………」
「…………」

「俺の告白を『ふーん』の一言で終わらせる気か?」
「いや、まあ、うーん、そうだね。とりあえず、もうちょっと生きてみるわ」
「それは良かった」
「ただ、告白は失敗の方向で」
「えーっ?何で?」
「もうちょっとロマンチックな告白して」
「ロマンチックな告白ー?俺、そういうの苦手なんだよ」
「ロマンチックな告白できたら付き合ってあげてもいいわよ」
「えーっ!?」
「これ、明日までの宿題ね」
「えーっ!?」
私は笑って立ち上がった。
まあ、もうちょっと生きてみようと思った。

作者のサイト:http://www.geocities.jp/syouseturyouhin/

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